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学力低下について 個人的な意見
Excite エキサイト : 社会ニュース

先ほどのもやもやに続いて、再度思うことを書きたい。
20年ほど前に小学生だった私は、中学入試に向けて猛勉強をしていた。
理由?ただ行きたい学校があったから。理由はそれだけで、塾にも通ったし、家でも「力の5000題」を必死に解いた。何回も何回も。結局中学受験は失敗した。行きたい学校が国立だったため、入試に抽選がついていたのだ。抽選にあえなく落とされ、私のがむしゃら受験勉強は終わった。

中学になると、小学校の時の勉強貯金があるので、中2ぐらいまではトップクラス。しかし、数学の正の数負の数、方程式、何が面白いかわからなかった。理科は実験は面白かったけど、それだけになった。何故だろう?と深めていく気持ちが無くなっていた。覚えておけばいいや、という気持ちで一杯だった。社会もそう。国語も漢字さえ覚えておくだけ。読書は面白かった。でも、学校の勉強とはつながらなかった気がする。英語も何となく勉強した。家庭環境の関係で英語は絶えず家に転がっていた。paperbackもあったし、発音も家族に聞けば何とかなった。学校の先生の発音が正しいなんて少しも思わなかった。だから洋楽に傾倒していった。生の英語を知ろうと。中学で勉強で楽しい思いをしたことはほとんど無かった。そこら辺にある公立中学。そこでは、適当に覚えて紙に書いてりゃ、成績は良かった。でも、真理はわからなかった。

その延長で高校受験をし私学女子校に入る。ここはお嬢さん学校。適当に短大に入っていればOKという感じの学校だった。その中で、意地でも4年制、共学、社会科学系、と目標を持っていたのは珍しい生徒だったと思う。そこで、たまたまちょっとしたチャンスがあった。学校に留学生が来たのだ。私はこの退屈な勉強から逃げたくて、留学試験を受けた。そして晴れて1年後にオーストラリアの私立女子校に1年間留学した。そこでは、「自分が何を思うか」「何故そうなのか」と徹底的に尋ねられた。数学も、証明問題ばかりが目立った。日本人だからと一番難しいクラスに入れられ泡を食った。でも、覚えることだけの勉強からの脱却をさせてくれたのは、このオーストラリアでの経験だった。数学、物理、化学、現・近代歴史、音楽、宗教、英語、とにかく、「己は何を考えているか」「その理由は何か」それが土台になった教育を受けた。それが楽しくてたまらなかった。勉強が楽しい、とはじめて思った。
留学を終えて帰国すると、留年が待っていた。まだ文部科学省が進級を認めていなかったためだ。後輩と1年をともにし、受験勉強をする毎日にうんざりした。学校の勉強より予備校の勉強が楽しかった。何故?という問いをすると、必ず何らかの答えが返ってくる予備校。何故というとうんざりした顔をする高校の教師、そのころから、教育に関心を持ち、日本の教育って変かも知れない、と感じるようになった。

大学入学後は、適当に覚える勉強をして、好きな本を手当たり次第読み、先生や友人と議論できる場を求めた。たまたまそれが存在した。おかげでその学ぶおもしろさを伸ばすことができ、上級学校にまで進学するようになった。ここまでくると学ぶおもしろさを知った人の集まりになり、毎日が刺激的でそれはそれは面白かった。自分の使命として、この、学ぶおもしろさを、子どもたちに知らせることだ、と思いこんでいた。だから、前期課程で企業に就職した。そして、子どもたちに学ぶおもしろさを伝えたい、と未だに思いながら、毎日を暮らしている。

でも、思いと反面にがっくりすることの方が毎日多い。企業の中でそんな学びのおもしろさを体験した人が少なく、子どものコトについての話が合わない。ものを形にしにくい。今、そんな壁にぶつかっている。だから余計に、これらの記事にとまどいを隠せない。自分の信じていたものが「虚」だったのではないかと。勉強だけが人生でない。それはよくわかる。でも、人生を豊かにするための土台として、勉強も必要なんだと、きちんとした言葉で伝えたい。
伝えるようになりたい。何とかしてこの日本を勢いのあるものにするためにも、未来からの贈り物である、子どもたちの「学ぶちから」をつけてやりたいと、焦ってしまうのだ。
まだまだ若い若造がほえておるわ、とも思われると思う。でも、色々学ぶうちに、様々な勉強が、自分の周りでつながっていることを知らせたいのだ。すべてはつながっている、と思う。
○○学、○○学、とあったとしても。とにかく今は何とかしたい、この思いで一杯である。
文部科学省、しっかりしろよ、という場合ではない。草の根から動くべき時が来ているのかも知れない。私はそう感じている。御上からの指示待ち体制では何も動かなくなってきているのかも知れない。私たちは試されているのかも、知れない。
by thinking_reeds | 2004-12-15 18:31 | 教育・お勉強