人気ブログランキング | 話題のタグを見る
これ、未だにあります:新鮮な海の幸を運ぶ「鮮魚列車」とは
新鮮な海の幸を運ぶ「鮮魚列車」とは

なつかしい、というか・・・。

よく、この電車を鶴橋駅で見ました。
学生時代、ギューギューすし詰めのラッシュの電車に乗ってる私たちと、結構がら空きの鮮魚列車が並行して走ってるのを、よく見ておりました。おばちゃん達、ブリキの魚入れるクーラーバッグみたいな入れ物を2つ、3つほど担いで、鶴橋駅で分散しておりました。

朝、意識朦朧な状態で電車に乗っている私に対して、鮮魚列車をみると、和気藹々とおばちゃんたち。あっちの車内で会話に花を咲かせているようで・・・。当時、極力朝に弱かった私にとって、「元気なヒト・・・」と、半ば恨めしそうに空いた電車を眺めていた記憶が・・・。

ホームに差し込む朝日と、ブリキの箱を持つ長靴姿のおばちゃん達の姿が、なんとなく暖かい感じがしていた記憶も・・・。なんやかんや書いてますが、好きな景色の一つです。
残しておいて欲しいなぁ。

夜は夜で、鶴橋は電車のドアが開くと、急に空腹になって倒れそうになるぐらい、オイシイ焼き肉のニオイがするのです。ああ、食い倒れ。万歳。

ーーー
新鮮な海の幸を運ぶ「鮮魚列車」とは [ 2006年01月15日 00時00分 ]

上本町駅での鮮魚列車。通常の近鉄電車の車両とはデザインが異なっている。
かつて物流の中心は鉄道だった。国鉄や京阪電鉄などの私鉄では、地方の港に水あげされた魚介類を大都市に輸送する特急貨物列車が運行していたが、高速道路の建設などにより、輸送の主役はトラックにかわり、私鉄から次々と姿を消していき、国鉄でもJRに民営化される際に廃止されてしまった。
そして、現在では近畿日本鉄道の「鮮魚列車」を残すだけとなっている。

近鉄の上本町駅や鶴橋駅では、いまでも「団体の貸し切り列車で一般のお客様はご乗車になれません」というアナウンスと共に、入線してくる3両編成の古めかしい車両をみることができる。向かう方向や行き先や路線名などを明示するための方向幕(ほうこうまく)には「鮮魚」と書かれているけれど、もちろん「鮮魚駅行き」ではなく「鮮魚専用列車」という意味。

この鮮魚列車は、一般列車に魚介類を持ち込むと臭いが他の乗客の迷惑になるので、1963年から早朝に三重県の漁港にあがった魚介類を奈良や大阪へ運ぶ行商人のために「伊勢志摩魚行商組合連合会」の団体貸し切り列車として運行されており、日曜日と祝日以外の毎日、朝に伊勢の宇治山田駅から大阪の上本町駅まで運行し、夕方には逆に上本町駅から松阪駅へ帰って行く。
車内は普通の列車と何ら変わりはなく、特に強烈な臭いがするわけではないが、あえて違いをいえば、広告が全くないことだろうか。あくまで貸し切りの専用列車で、一般客は乗ることができないので、間違わないようにご注意を。

ちなみに京成電鉄では、千葉から東京に野菜を売りに行く行商人専用列車が運行されていたが、現在は廃止され、朝の上り列車一本の最後尾一両のみが行商専用車となっているそうだ。

鮮魚列車は、最盛期には100人以上の利用者があったが、最近では半数以下に減ったそうだ。しかしそれでも鶴橋の市場や近鉄百貨店のデパ地下に毎日新鮮な海の幸を届けてくれている。
(もがみ)
by thinking_reeds | 2006-01-17 00:31 | 雑記